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目を覚ますと、暖かな布団の中にいた。
いや、布団、というのは間違っているのかもしれない。
目の前にいる男を見てそう思った。
なんて固い枕なんだ、と思っていたものはこいつの右腕で、なんて熱いかけ布団だと思っていたものは、こいつの左腕だった。
昨日は久しぶりに飲んだ。
ここ数年で一番、と言ってもいいほど。
多分、久しぶりのオフに浮かれていたんだ、と思う。
仕事が終わった後、何人かの信頼できる部下を連れて行った飲み屋は、値段の割に、まぁまぁな酒を入れる店だった。
どこで、どう間違えたのか、嗜むだけのつもりが結構な量を飲んでしまった。
帰り道。
どうやって帰ってきたかは覚えてないが、今ここで寝ているということは、こいつがなんとかしてくれたのだろう。
着ていたスーツは部屋の隅に掛けられていたし、酒とタバコの臭いは自分から感じられなかった。
バスローブなんかを着ているのを考えると、風呂にまで入れてくれたのかもしれない。
…全然、覚えてないのだけれども。
寝息を立てているこいつを起こさないように布団から出る。
口の中が気持ち悪い。
さすがのこいつも歯までは磨いてくれなかったか、と思う。
いや、色々と健康にうるさいこいつの事だから、磨こうとはしてくれたのかもしれない。
寝室から出ると、リビングは何だかひどい状態で、床が濡れていたり、下着(俺のだ)が落ちていたり。
昨日のことを考えて、武が不憫に思えてきた。
キッチンの方見ると、俺の歯ブラシが置いてあって、あ、なんだやっぱり、と苦笑する。
「…おはよ」
ぬっと目の前の鏡に映りこむ武。
歯を磨く俺にお構いなしに後ろから抱きついてきた。
「何だよ」
「昨日のこと、覚えてる??」
「いや、全然」
即答すると、少し眉間に皺を寄せた。
「すごい、ご機嫌だったな」
「ん、まぁな」
「俺、隼人が帰ってくるの待ってたんだぜ」
俺の肩に顎を乗せて鏡越しに顔をのぞかれる。
ふ、と時計を見ると、もう本来の出勤時間は過ぎていた。
「お、おい、武、お前今日仕事は??」
「休み」
「は??」
「隼人が休みだって言ってたから、俺もツナに言って休みにしてもらってきた」
お前なぁ…、と洩らす。
こいつの事だから、十代目に無理を言ったに違いない。いや、偉大な十代目のことだから先を見越していたのかもしれないが。
やっぱり、と言って嘆息して、苦笑いを浮かべる彼の姿が浮かんだ。
「だから、昨日は隼人にそのこと言おうと楽しみにしてたのに」
「しょうがねえだろ、休みだとは思わねぇじゃねえか」
「まぁ、早く言わなかった俺も少しは悪いけど、びっくりさせたかったのな」
口の中をすっきりさせた俺は抱きつく武をそのままに、リビングに戻る。
ひどかったリビングは片付けられていて、背中の存在に、きゅぅ、と胸が鳴った。
「で、お前は何が望みなんだ??」
え、とか、何が、とか言う武を連れてキッチンに向かう。
二人分のマグカップを棚から取り出して、コーヒーの粉をカップに入れる。
すんすん、と鼻を動かす武を諫めながら、お湯を注ぐ。
コーヒーの良い薫りが部屋に充満し笑みが洩れる。
片手に2つのマグを持って武の方を向くと、へら、と笑いながらサンキューと言ってきた。
「今日は、どっかいくの??」
「買い物行こうと思ってた」
「それから??」
「別に、何も」
「じゃぁ、買い物付き合うからその後は俺と一緒にいて」
額をくっつけながらそう言った武の頬に口付ける。
「…どうしたの??」
珍しいのな、と言わんばかりに顔を覗き込まれた。
言えるものか。
些細なことに嫉妬したこいつが愛しいと思ったことなど。
何も言わず、俺に色々尽くしてくれることに感謝していることなど。
どうせなら、こっちにして、と口を指す武の要望に答えてやる。
深くなる口付けに、頭が痺れる。
いっそのこと、このまま…、なんて台詞が頭をよぎる。
その意志を伝えるべく、武の首に腕を回すためにコーヒーを置くと、
「な、やっぱり買い物、後が良い」
なんて、少し余裕のない顔で告げるもんだから、俺の胸は、また、きゅう、と鳴ってしまった。
うん、なんか意味不明。
ラブラブな24山獄を表現してみたかっただけです。
いや、布団、というのは間違っているのかもしれない。
目の前にいる男を見てそう思った。
なんて固い枕なんだ、と思っていたものはこいつの右腕で、なんて熱いかけ布団だと思っていたものは、こいつの左腕だった。
昨日は久しぶりに飲んだ。
ここ数年で一番、と言ってもいいほど。
多分、久しぶりのオフに浮かれていたんだ、と思う。
仕事が終わった後、何人かの信頼できる部下を連れて行った飲み屋は、値段の割に、まぁまぁな酒を入れる店だった。
どこで、どう間違えたのか、嗜むだけのつもりが結構な量を飲んでしまった。
帰り道。
どうやって帰ってきたかは覚えてないが、今ここで寝ているということは、こいつがなんとかしてくれたのだろう。
着ていたスーツは部屋の隅に掛けられていたし、酒とタバコの臭いは自分から感じられなかった。
バスローブなんかを着ているのを考えると、風呂にまで入れてくれたのかもしれない。
…全然、覚えてないのだけれども。
寝息を立てているこいつを起こさないように布団から出る。
口の中が気持ち悪い。
さすがのこいつも歯までは磨いてくれなかったか、と思う。
いや、色々と健康にうるさいこいつの事だから、磨こうとはしてくれたのかもしれない。
寝室から出ると、リビングは何だかひどい状態で、床が濡れていたり、下着(俺のだ)が落ちていたり。
昨日のことを考えて、武が不憫に思えてきた。
キッチンの方見ると、俺の歯ブラシが置いてあって、あ、なんだやっぱり、と苦笑する。
「…おはよ」
ぬっと目の前の鏡に映りこむ武。
歯を磨く俺にお構いなしに後ろから抱きついてきた。
「何だよ」
「昨日のこと、覚えてる??」
「いや、全然」
即答すると、少し眉間に皺を寄せた。
「すごい、ご機嫌だったな」
「ん、まぁな」
「俺、隼人が帰ってくるの待ってたんだぜ」
俺の肩に顎を乗せて鏡越しに顔をのぞかれる。
ふ、と時計を見ると、もう本来の出勤時間は過ぎていた。
「お、おい、武、お前今日仕事は??」
「休み」
「は??」
「隼人が休みだって言ってたから、俺もツナに言って休みにしてもらってきた」
お前なぁ…、と洩らす。
こいつの事だから、十代目に無理を言ったに違いない。いや、偉大な十代目のことだから先を見越していたのかもしれないが。
やっぱり、と言って嘆息して、苦笑いを浮かべる彼の姿が浮かんだ。
「だから、昨日は隼人にそのこと言おうと楽しみにしてたのに」
「しょうがねえだろ、休みだとは思わねぇじゃねえか」
「まぁ、早く言わなかった俺も少しは悪いけど、びっくりさせたかったのな」
口の中をすっきりさせた俺は抱きつく武をそのままに、リビングに戻る。
ひどかったリビングは片付けられていて、背中の存在に、きゅぅ、と胸が鳴った。
「で、お前は何が望みなんだ??」
え、とか、何が、とか言う武を連れてキッチンに向かう。
二人分のマグカップを棚から取り出して、コーヒーの粉をカップに入れる。
すんすん、と鼻を動かす武を諫めながら、お湯を注ぐ。
コーヒーの良い薫りが部屋に充満し笑みが洩れる。
片手に2つのマグを持って武の方を向くと、へら、と笑いながらサンキューと言ってきた。
「今日は、どっかいくの??」
「買い物行こうと思ってた」
「それから??」
「別に、何も」
「じゃぁ、買い物付き合うからその後は俺と一緒にいて」
額をくっつけながらそう言った武の頬に口付ける。
「…どうしたの??」
珍しいのな、と言わんばかりに顔を覗き込まれた。
言えるものか。
些細なことに嫉妬したこいつが愛しいと思ったことなど。
何も言わず、俺に色々尽くしてくれることに感謝していることなど。
どうせなら、こっちにして、と口を指す武の要望に答えてやる。
深くなる口付けに、頭が痺れる。
いっそのこと、このまま…、なんて台詞が頭をよぎる。
その意志を伝えるべく、武の首に腕を回すためにコーヒーを置くと、
「な、やっぱり買い物、後が良い」
なんて、少し余裕のない顔で告げるもんだから、俺の胸は、また、きゅう、と鳴ってしまった。
うん、なんか意味不明。
ラブラブな24山獄を表現してみたかっただけです。
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