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01.19
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10.29   comment (0)
最悪の事態を想定するのは慣れっこだ。
いくら、今が、幸せだとしても、もしかしたら、この幸せが一瞬にして消えてなくなるかもしれない。
俺はそのことをよく知っていたし、それが何パーセントの確率で起こり得るかを考えて、考えることに時間を費やして、何も起こらなかったことに安堵するのだ。
だから、こうやって山本と車で出掛けていようと、いつ、後ろから敵マフィアの襲撃を受けるか、いつ、横から弾丸が飛んでくるか、を考えていなければならない。
前に、山本にこのことを話したら、不満を言いたげに顔をしかめた後、「でも」とか「そっか」とか「うーん」とかひとしきり唸り、

「守るから」

と、呟いて抱き締められた。

そんな泣きそうな顔で言われたら、俺がいつも不幸であるように思われたみたいで癪だった。
不幸なわけがない、山本がいて不幸なわけがない。
最悪の事態を想定するのは、いつまでもこの幸せを続かせるためなことに気付かないのか。
いつか、マフィアを引退して(生涯現役も格好良いとは思うが)、隠居生活でも始めた時に隣にお前がいなかったらまったく意味がないだろ。
それに、今、山本が隣にいるだけでパーセンテージは格段に下がってる。
ボンゴレ二代剣豪の山本武を買い被ってるわけではないが、何か不足の事態が起こったとしても、対処する方法は、何通りも思いつくし、それを遂行させる自信もある。

俺だってそうやってお前を守ってることをしっかり心に刻んどけ!!

と、心の中で思う。

市街地を走るこの車の助手席で、じっと山本を横目で睨んだら、赤になるまで待って、と検討違いの返事をされた。
赤になったら何をする気だこいつ、と最悪の事態を予測しつつ、あぁ、これは期待なのかと思って、頬が赤くなるのを感じた。



遅刻する夢を見ました。怖い怖い。
これも、最悪の事態の想定の一つかな(笑)
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